正社員の給与が高く、派遣社員は人件費削減のために行われているという認識を持つ人が少なくありません。
確かに工場勤務や一般事務を行なう部署にとっては、当てはまりますが、システム開発業界では真逆の状態が発生していることも少なくないのです。
正社員は多くの仕事を満遍なくこなせる人材として、会社にとって使い勝手が良い存在です。

しかし、オールマイティーに仕事をこなせる代わりに、専門分野に特化したスペシャリストとして働く派遣社員に生産性で追いつかないことも珍しくなくなっています。
会社にとって必要な従業員の中には、プロジェクトの進捗に大きく貢献するスペシャリストが一定数必要となります。
実際の作業工程を担う人材については、プロジェクトごとに調達する方法が理に適っており、スキルを持った派遣社員の需要が高まっていると言うわけです。

そのため、業界ごとに事情が異なる就業環境では、求められる人材の質が異なるため、一概に雇用形態と能力を結びつけることは難しいでしょう。
派遣社員として働く人の中には、技術力や個人的なスキルを高めて高時給を得るというスタイルで意欲的に働くケースも珍しくありません。
将来起業したり、フリーランスとして会社に縛られない働き方を行いたい人には向いているのです。

その結果、技術系の派遣社員はスペシャリストと呼ばれる人材が多く、正社員として会社勤務を行なう人達は、管理業務を任されるケースが増えています。
企業が行なう事業活動では、様々な雇用形態の人材をいかに効率よく確保出来るかが重要であり、プロジェクトごとに異なる人材もまた、個別に確保することが重要です。
派遣は決して正社員に劣るというわけではありません。
職種によっては派遣として働く方がスキル磨きに役立ち、メリットがあるといえるでしょう。